横浜ランドマークタワー

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横浜ランドマークタワー(よこはまランドマークタワー、Yokohama Landmark Tower)は、横浜みなとみらい21の中核を担っている超高層ビルで、オフィスのほかホテルショッピングモールなどからなる複合施設。三菱地所が保有している。1990年3月20日に着工され、1993年7月16日に開業した。

70階建て、高さ296.33m。超高層ビルとしては日本で2番目に高く、また日本の構造物としては東京スカイツリー(634m)、東京タワー(332.6m)、阿部野橋ターミナルビルあべのハルカス、300.0m:全館開業は2014年予定)、明石海峡大橋(298.3m)に次ぐ6番目の高さである。

69階には展望台フロア「スカイガーデン」を設置、また低層部にはショッピングモール「ランドマークプラザ」が併設されている。

本項では国の重要文化財に指定されているドックヤードガーデンについても解説する(後述参照)。

概要[編集]

横浜ランドマークタワーはみなとみらい地区の25街区に所在し、横浜市内初の本格的な動く歩道(元々は横浜博覧会の施設)で桜木町駅方面と接続、地下3階・地上70階・塔屋3階のタワー棟と、地下4階・地上5階のプラザ棟からなる。建築面積は23,208m2。延床面積は392,791m2で、東京都豊島区のサンシャインシティ(585,895m2)、愛知県名古屋市中村区のJRセントラルタワーズ(416,565m2)に次ぐ。

デザインはアメリカの建築家、ヒュー・スタビンス。スタビンスによる基本設計に基づき、三菱地所が実施設計を行った。

当初の計画では、隣接するクイーンズスクエア横浜との間の北側の一角に、円筒形の超高層棟をもう一棟建設する予定であったが、計画は凍結されたままになっている。この建設予定地は過去にバス駐車場やマンションのモデルルーム等に利用されたことがある。なお、当初は高さ300mの超高層ビルとして計画されていたが、建設地が東京国際空港標準出発経路(SID)と重なったため高度制限が発生し、最終的に296.3mとなった。

主な施設は、横浜ロイヤルパークホテル、オフィス、ランドマークプラザ(ショッピングモール)、ドックヤードガーデン(広場、レストラン街)、スカイガーデン(展望フロア)など。

最上階の70階は、ホテルのスカイラウンジと宴会場になっている。また、69階には、ビルとしては日本一高い展望台フロア・「スカイガーデン」(地上273m)があり、直通エレベーター三菱電機製)が、最大分速約750m(時速45km/h)で運ぶ。

2004年に台北101のエレベーターに記録を破られるまでは世界最速で、ギネス・ワールド・レコーズにも掲載されていた。東京スカイツリーが開業した現在でも、日本最速のエレベーターである。

台北101の最速記録は昇りのみであり、降りは現在でも世界最速である[注 1]。このエレベーターには強風管制運転システムが装備されており、風の強さに応じて通常運行・最高速度の50%に相当する375m/minに減速・半分を停止し残りの半分を375m/minに減速・全面休止の4段階に制御される。

また、ビル全体の制振装置として、上層部にコンピュータ制御で揺れを抑える巨大な振り子を備えており、ビル自体も4本を柱とした耐震性の高い構造をとっている。

2004年2月には、横浜高速鉄道みなとみらい線みなとみらい駅が、ランドマークタワーに隣接するクイーンズスクエア横浜の地下に開業した。2008年2001年に始まった現代美術の国際展「横浜トリエンナーレ2008」の会場に指定され、ランドマークプラザには作品の一部が展示された。

竣工以来、20年近く「日本一高い超高層ビル」の座を守ってきたが、2014年(平成26年)開業予定の「あべのハルカス」(大阪府大阪市阿倍野区)が、建設中ではあるが2012年8月時点で高さ300mに達し、日本一の座をあけ渡した。

なお、ランドマークタワーには三菱地所による二期棟(当初の案では楕円形のビル)の計画があるが、景気の悪化などを受けて凍結となっている。今後の開発方針等は不明であるが、現在、二期棟の建設予定地には自動車ショールーム(ロールス・ロイス・モーター・カーズ横浜とNicole BMW 横浜みなとみらい支店、共に暫定施設)がある。

施設[編集]

  • スカイガーデン(展望フロア) - 69階 - 272m(タワー棟)
  • 横浜ロイヤルパークホテル - 地下1階、1階、49〜68階、70階(タワー棟)、地下1階、1〜3階(宴会棟)
    開業当初はニッコーホテルズインターナショナルと提携し「横浜ロイヤルパークホテルニッコー」という名称だったが、提携解消と同時に現在の名称に改称した。
  • オフィスフロア - 1〜48階(タワー棟)
  • クリニックフロア - 7階(タワー棟)
  • サービス施設・ショールーム - 地下1階〜35階の一部(タワー棟)
  • ランドマークプラザ - 地下2階〜3階(プラザ棟)
  • ランドマークホール - 3階(プラザ棟)
  • ドックヤードガーデン - 地下2階〜1階
  • 駐車場 - 地下3階〜地下1階

テレビ中継局として[編集]

アナログテレビ放送時代(2011年7月24日まで)、タワーの屋上には、NHK関東広域圏民放キー局およびtvkの横浜みなとテレビ中継局があった。

横浜市内では基本的に、キー局は東京タワーからの、tvkは神奈川県立三ツ池公園からの放送をそれぞれ視聴している世帯が多い。しかし、ランドマークタワーの建設によって大規模な受信障害が発生することが予想されたことから、その補償措置として、各局と三菱地所が費用を負担する形で設けられた。

通常こうした場合は、三菱地所が免許人となってSHF波を使った再送信が行われるが、影響が広範囲にわたる恐れがあったことから、異例のUHF波による中継局設置となった。

対象地域には横浜市中心街が含まれているが、ランドマークタワー近隣ではアンテナの仰角を大きく取らねばならず、市販品で対応できないため視聴世帯が少ない一方、下末吉台地の影響で東京タワー方向に受信障害を生じている神奈川区の一部地域などでは、UHFアンテナ1本で全局視聴が可能になる[注 2]ことから、ランドマークタワーにアンテナを向ける世帯も多い。

地上デジタルテレビ放送の中継局については設置不要と判断されたため、アナログ放送停波に伴い廃局となる予定であった[1]。しかし、総務省の現地調査によると、デジタル放送完全移行するまでに、難視対策が間に合わない世帯が、横浜市内で合わせて2,000世帯に上ることが分かった。これは全国的に見ても影響するエリアが最大級の規模だという。

このため、急遽デジタル波用の「みなとみらい中継局」を新設することになった。いったん廃局を決めた中継局を復活させる事態は、極めて異例のケースである。なお、開局は2012年(平成24年)9月1日となっている[2]

アナログテレビ放送(横浜みなと中継局)[編集]

放送局名 チャンネル 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域内世帯数
tvkテレビ神奈川 48ch[注 3] 映像30W
/音声7.5W
映像220W
/音声56W
神奈川県 不明
NHK東京Eテレ 50ch 全国放送
NHK東京総合 52ch 関東広域圏
NTV日本テレビ 54ch 映像210W
/音声52W
TBSテレビ 56ch
CXフジテレビ 58ch
EXテレビ朝日 60ch
TXテレビ東京 62ch
  • 2011年7月24日の停波で廃局。
  • tvkアナログのchはCXデジタルのchに、NHK EテレアナログのchはTXデジタルのchに、NHK総合アナログのchはNTVデジタルのchにそれぞれ引き継いだ。

デジタルテレビ放送(みなとみらい中継局)[編集]

リモコンキーID 放送局 物理チャンネル 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域内世帯数 偏波面 開局日
1 NHK東京総合 51ch 3W 27W 関東広域圏
(茨城県、栃木県及び群馬県を含まない)[3]
101万9,610世帯 送信所の北西方向
水平偏波

送信所の南西方向
垂直偏波
2012年9月1日
2 NHK東京Eテレ 47ch 全国放送
3 tvkテレビ神奈川 49ch 神奈川県
4 NTV日本テレビ 52ch 関東広域圏
5 EXテレビ朝日 46ch
6 TBSテレビ 45ch
7 TXテレビ東京 50ch
8 CXフジテレビ 48ch

歴史[編集]

外部リンク[編集]

放送エリア[編集]

  • 【神奈川県】横浜市鶴見区、中区、磯子区、金沢区、港北区、戸塚区、港南区、旭区、緑区、栄区、泉区、青葉区、都筑区及び川崎市宮前区の各一部・横浜市神奈川区、西区、南区及び保土ヶ谷区の全域
  • みなとみらいデジタル中継局放送エリアPDF  - 総務省関東総合通信局

タワーが登場する作品[編集]

オフィス[編集]

オフィスの入居率は90%を超える。

ビル固有の郵便番号は〒220-81xx(xxは階層で、地下・階層不明の場合は220-8190)。

スカイガーデン[編集]

69階の展望台「スカイガーデン」は、地上からの高さが272mであり、ビルとしては日本で最も高い(建造物としては東京スカイツリーに次ぐ第2位)。

なお、ビルの最上階(70階)は、ホテルのスカイラウンジと宴会場となっており、こちらの高さは地上277mである。

他の日本における建築物の展望台の高さは以下の通りである。

ランドマークプラザ[編集]

ランドマークプラザは、タワーと同日に開業したショッピングモール。タワー棟と建物内で接続されている。

ファッション、インテリア、ホビー、レストラン、郵便局・銀行ATMなど様々なテナントが入居している。主なテナントは本項末尾の通り。

なお、タワー棟のエレベーターは三菱製だが、プラザ棟のエレベーター・エスカレーターの一部は日立製である。また、プラザの1階〜4階までの一部には世界でも稀な螺旋状のスパイラルエスカレーター(三菱製)が設置してある。

イベント[編集]

定期的なイベントとしては、1Fガーデンスクエアではピアノ演奏が行われている。またクリスマスシーズンには、スワロフスキー製のクリスタルツリーが飾られている。5Fランドマークホールで行われていた映画上映会「ランドマークシネマコレクション」は2011年3月末に終了した。

サ ービス[編集]

  • 駐車場
駐車場はタワー・ロイヤルパークホテル共通で、約1,400台収容可能。
  • ランドマークプラザクラブカード NICOS

主なテナント[編集]

1F[編集]

2F[編集]

3F[編集]

4F[編集]

5F[編集]

B1F・B2F[編集]

ドックヤードガーデン[編集]

みなとみらい21の敷地は三菱重工業横浜造船所の移転跡地を埋め立てにより拡張したものであり、横浜ランドマークタワーは造船所のドック跡地に建設された。

現在、イベントスペースやオープンテラスとして利用されているドックヤードガーデンは、日本に現存する最古の石造りドックヤードであった旧・横浜船渠(のちの三菱重工業横浜造船所)第2号ドックを復元・保存したものである。このドックは1896年に竣工し、1973年に使用を中止するまで70数年間、港湾施設として重要な役割を果たしてきた。

横浜市は早い段階から第2号ドックの保存活用を計画し、建築史家・村松貞次郎(当時東京大学教授)ら専門家の意見をもとに保存計画が立てられた。みなとみらいの土地造成に伴いドックは海岸線から離れたが、工事中の1989年4月には横浜市認定歴史的建造物となり、復元作業が全面的に行われ、1993年の横浜ランドマークタワーの開業とともに、ドックヤードガーデンとしてオープンした。

ドックの周囲はレストラン街となっている。1997年12月には国から重要文化財の指定を受けた。重要文化財指定名称は「旧横浜船渠株式会社第二号船渠」である。全長約107m、全幅(上端)約29m、深さ約10m[4]

2013年7月より開業20周年を記念して、180度体感型のプロジェクションマッピングによる演出イベントが開催されている[5]

なお、横浜船渠の第1号ドックは1985年以来、「日本丸メモリアルパーク」として保存活用されており、2000年12月に「旧横浜船渠株式会社第一号船渠」の名称で国の重要文化財に指定されている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. なお、ランドマークタワーのエレベーターは三菱電機製であるのに対し、台北101のエレベーターは東芝製である。このことから日本のエレベーターは、世界最速の座を長年維持している。
  2. tvkでも同様のキャンペーンを行った。
  3. 電波の飛びが良過ぎるため、東京都埼玉県の一部で群馬テレビ本局(48ch)と同一周波数混信を起こしている。

出典[編集]

  1. 総務省地上デジタル推進全国会議資料(2008年
  2. 「総務省」>>「政策ズームアップ」内バナー「2011年7月地デジ化 完了」>>「地上デジタルテレビ放送のご案内」>>「データ集」>>「デジタル中継局リスト」>>「地上デジタルテレビ放送中継局リスト:関東総合通信局管内:神奈川県」>>最終段に「みなとみらい」表記。(Excel表示)
  3. 基幹放送普及計画(昭和63年郵政省告示第660号)(総務省電波利用ホームページ)
  4. ランドマークタワーにある看板より。2010年5月1日閲覧。
  5. 横浜ランドマークタワー祝20周年!屋外では日本初の「180度体験型プロジェクションマッピング」をレポート!(はまれぽ.com 2013年7月16日)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

テンプレート:Yokohama Minatomirai21